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MOBJE
1948年に尾道で創業した帽子製造会社「藤井製帽」から生まれた、オブジェブランド。
<身体に寄り添う立体物>としての帽子づくりを、インテリアの視点に立って空間へと広げています。
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Philosophy
森の中で静かに立つ樹木や、長い時間を刻んだ岩肌には、理由もなく心を惹きつける佇まいがあります。
一方で、人が整えた空間や物には、思考や手仕事の痕跡が秩序立ってあらわれた佇まいが息づいています。
MOBJE(モブジェ)は、自然から自ずと生まれる佇まいと、人の意図から生まれる佇まい──
そのあいだに広がる、曖昧で豊かな領域に宿る魅力をものづくりの源としています。
帽子づくりの技術によって、職人がひとつずつ仕立てるMOBJEのインテリアオブジェは、ブレードと呼ばれる組紐状の素材を、手作業で立体へ縫い上げる独自の技法によって、驚くほど軽く、割れたり欠けたりしない“柔らかな強さ”を備えています。
触れたくなる質感、空間と響き合う色と形。目にしたり、手に取った瞬間にふっと想像が広がること。
自然物にも人工物にも寄りきらない、その“あいだ”にある佇まいが、空間の中で視線を引き寄せ、創造性をいざなう美しさをもたらすと、私たちは信じています。
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Craftmanship
MOBJEの根底には、1948年に広島県尾道市で創業した藤井製帽が長い年月をかけて培ってきた、帽子づくりの知識と技術があります。
戦後まもなく地場産業として麦わら帽子の製造を始め、素材や製法の幅を少しずつ広げながら、多様な帽子をつくり続けてきました。
糸一本から素材を生み出す知識、複雑な形状を正確につくり上げる技術。
“身体に寄り添う立体物”としての帽子づくりで培われたこれらの蓄積は、空間に置かれるオブジェをつくるうえでも大きな力となり、MOBJEの独自性を支える確かな土台となっています。
MOBJEの活動は、この技術と知識をインテリアへとひらくことで、その価値をより多くの場所へ届け、未来へとつないでいくための試みでもあります。
日々の空間に創造性をもたらすこと。
そして、長く使われるものとして責任を持ち、丁寧につくり続けること。
MOBJEは、その姿勢を大切にしています。
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Material
MOBJEでは、天然素材を用いて、構造の基本となる糸の段階から、組み方や質感、それに伴って生まれる色の表情までを設計しています。
また、本来は帽子のために用いられてきた柔らかい素材も、組織や密度を調整することで、かたちを保ち、オブジェとして自立する強度を備えた素材として再構成しています。
素材を一から生み出すことも、既存の素材を設計し直すことも、MOBJEにとっては同じものづくりの延長線にあると捉えています。